ハワイアンライフガードによるJrセミナー開催
去る6月16日(土)・17日(日)の2日間に渡り、神奈川県支部設立10周年記念イベントとして、Hawaiian Junior Lifesaving Seminar 2007「Lifesa-ving for life starts now」が開催された。姉妹提携を結ぶHawaiian Lifeguard Associationから、ジュニアプログラムのオーソリティーであるデニス・サラス氏とそのご子息、キラキラ・ユン氏が来日。「ジュニアライフセービングのリーダーを志す人達のためのセミナー」と、「ジュニアのための海と命のセミナー」の指導にあたって頂いた。
デニス・サラス氏は、ハワイ王朝の血を引く生粋のハワイアン。知る人ぞ知る、代表的ハワイアンライフガードである。
セミナーは1日目にリーダーの為のセミナーで学んだことを、2日目のキッズを対象としたセミナーで、実際にサラス氏のアシスタントとして実践するという内容だ。熱心に取り組む受講生の中には、JLA小峯理事長の顔もあったことをご報告しておこう。
セミナーの詳細は「10周年特別記念特集 ジュニアハワイアンライフセービング」を読んで頂きたい。
サラス氏によればオアフ島では、1回5日間のジュニア・ライフガード・プログラム(対象13才~17才)をライフガードの担当区域(Waikiki / Ala Moana / North Shore / Leew- ard Oahu / Windward Oahuの4区)で年8回、合計32回開催するとのこと。受講生は500ヤード(約450m)を10分以内という泳力が求められ、講習内容もボードレスキューやレサシテーションなどを含むかなり実践的なものである。
物心つくと同時にサーフィンに親しむ環境にあるハワイの子供達と日本ではカルチャー・ギャップがあるが、我々の活動の成果として、県内のクラブでも、ジュニアプログラムが形を整えつつあるのは大変喜ばしいことである。
今後も情報交換、指導者の育成も含め、良い交流をはかっていけるよう考えたい。
「Ho o lokahi !(ホ オ ロカヒ!)」 「海とひとつになろう!みんなでひとつになろう!」というステキな言葉を教えて頂きセミナーを終了した。
自然を理解し尊ぶこと。それがハワイアンスタイル
日本におけるジュニア教育はオーストラリアのメソッドが中心となっており、競技色が強いことも特徴のひとつです。逆にハワイのジュニアでは、自然を理解し同調し尊ぶことの大切さや、仲間を信頼し、互いに励まし合うことの大切さなど、精神面を主軸にしてライフガーディングを展開していく、現在の日本の教育現場が必要としている内容となっていることが主な特徴です。
まさに日本協会が進めている「生命を守る教育」に沿うプログラムであるといえます。
まず指導者が楽しむこと!
1日目の午前中はハワイにおけるライフガーディングの現状とライフガードとしての心構えを中心に講義、また子ども達との距離を縮めるためのアイスブレーキングの紹介などが行われました。長い歴史の中から積み上げられた技術と官民一体となった組織体系の必要性、また海に対するライフガードの意識の高さなど、どれも驚かされる内容ばかりでした。
日本と同じ四方を海に囲まれた環境であるにも関わらず、その違いの大きさに気の引き締まる想いでした。
午後は海岸にて基本的なスキルの確認と、様々なアクティビティーの実践や進め方の実習を行いました。多くのサーファーが週末を楽しんでいましたが、デニスが海に入ると、何故だかスーっと人が引けてスペースが出来るのです。デニスのただならぬ佇まいと尊さが人をそうさせたのでしょう。声を掛けられたロコも満面の笑顔で挨拶を返している光景は、地元のライフセーバーでさえも成し遂げられてない理想的な関係でした。
ジュニアへのスキル指導はとってもシンプルで分かりやすいのが特徴です。「使う」スキルではなく、スキルを「利用」してアクティビティーを展開して行くというところに、とても共感を覚えました。
日本のジュニアライフセービングは「スキル」に固執しすぎる傾向にあるので、とても参考になるプログラムでした。とくに参加者である大人が心から楽しんで参加しているのが何よりもの収穫でした。「指導者が楽しむこと!」これに尽きると思います。
子ども用に紹介されたアイスブレーキングやウォーミングアップも進め方によっては、大人にも展開出来るということを身を以て体験することが出来ました。
指導者として参加している往年のライフセーバーが腹を抱えて笑い、時には真剣に勝負する。そんな光景に、何だかこれからのジュニア教育の在り方が見えたように思えました。
最後に皆で手を重ね、講師であるデニスの「1.2.3ライフガード!」のかけ声でコールした時の皆の充実感は最高のものだったでしょう。「また来たい!」「もっとやりたい!」そう思わせるジュニア指導を心掛けなければと心に誓ったのでした。
みんながアロハスピリッツ
2日目も快晴で気持ちのいいジュニアデイになりました。40名もの子どもたちを迎え、子どもの大好きなデニスは終始ニコニコ顔。
まずはジュニアプログラムの安全と成功願って、ハワイの言葉で神に祈りを捧げる『チャント』から始まりました。ハワイのチャントあるいはメレ(あらゆる歌)は、ハワイアンが持っている唯一つの重要な文化的表現で、人間と神との結び付きを確立する方法なのです。ハワイと日本の、海と人を繋げる祈りに子ども達も真剣顔。私もデニスの佇まいに鳥肌が立ちました。
デニスのレスキューメソッドはとてもシンプル。プログラムは子どもたちを海に近づけ、共に楽しむ心を第一に考えられていました。私たち指導者もアシスタントとして参加していましたが、共通していえたことは、大人も子どもも見ている保護者もみんな笑顔!デニスのファシリテーションは本当に見事でした。
午前中の短い間でしたが、子どもたちも大人たちも何だか幸せで、アロハスピリッツに満たされていました。最後に修了書もデニスから一人一人に手渡して貰いましたが、何の申し合わせもないのにも関わらず、子どもたちが心から『Mahalo』と挨拶をしてくれました。
海と人がひとつにつながる
『Hokoro Kahi(ホコロカヒ)=海とひとつ、人とひとつ 』これはデニスから最初に教わったハワイの言葉でした。
「海と人がひとつにつながることは、アロハスピリッツに通じる。」心にズシーンときました。もしも人に対して、ちょっと心の負担になっていることがあったら、勇気を出して、誠実かつ謙虚に尊敬する気持ちをもって心を開いてみたらいかがでしょうか。きっとアロハスピリッツが心を癒してくれるでしょう。
今回が初めてのハワイアンジュニアライフガード講習会でしたが、ぜひ今後も継続して行きたいと考えています。後は予算付け次第ですけど・・・・。Mahalo
LIFEGUARD CORE VALUES
- Leadership 地域・海などの全てのリーダーは謙虚でなければならない/humble(謙虚なリーダー)
- Integrity 地域の人や子どもに対して誠実でなければならない。
- Friendship 全てにおいて友情が必要。それによって子どもは心を開く。
- Encourage 励まし、勇気づける事が大切である。
- Generous 物事に寛大であること。相手を許すことを喜びに感じることが大切。
- Understanding 子どもの話に耳を傾け、理解しようと務めること。
- Accountable 常に模範となる行動を心掛け、頼られる存在でなければならない。
- Respect 皆から尊敬される存在であること。相手を尊敬する姿勢に相手も敬意を払ってくれる。
- Dedication 自らの活動に専念し、やる気を見せることが大切である。
S.O.A.K
- Study 海を見て・学ぶこと。
- Observe 海の状況(人の密集度、ロコのいるエリア)を観察し、安全なエリアを見つける。
- Ask 毎日海に入っているロコに海の状況を聞く。
- Knew 自分の技術のレベルを知り、限界を知る。
DENIS・SALAS氏
Hawaiian Lifeguard Association所属
デニス・サラス氏は、デューク・カハナモクから続く伝統的なハワイアンビーチボーイズのスタイルを現在に伝える数少ない現役最古参のハワイアンライフガード。ハワイのリリウオカラニ女王の血統を引き、ハワイアンの血を持っていないと入学許可のおりない優秀な学校である「カメハメハスクール」卒業後、ハワイ大学に進学。アメリカの花形競技であるアメリカンフットボールのQB、バスケットボール選手として活躍しました。
その後、バッファロー達とともにライフガードとして今に至ります。現在では、神父としても有名でハワイ人で彼を知らない人はいないといっても過言ではありません。




















