今、海辺から環境教育を!
海に興味のある人、海が好きな人、環境教育に興味のある人・・・3月2日~4日までの日程で開催された「海辺の環境教育フォーラム2007」に、全国から80名を超える人が三浦ふれあい村に集まりました。
「なぜ『海辺』の環境教育なのか?」「環境保全にどのように貢献できるのか?」の2つの軸に日頃から取り込んでいる成果の発表や、事例紹介をし、各人が抱えている課題や疑問のヒントを探るのが目的なのです。
NPO関係者、学校教育関係者、ダイビング事業者、行政、一般市民、研究者学生等々、様々な立場の人たちが集まりましたが、今年は開催地が「湘南」、そして実行委員長を私が勤めさせて頂いた関係で、ライフセーバーやサーファーの参加が多くありました。
海や環境教育に興味がある人なら誰でも参加できるとあって、同じ釜の飯を食いながらのディスカッションは、世代や職業を超え、どこか合宿やキャンプのような雰囲気を持っています。今年で7回目を迎える同フォーラムは、全国各地、色々な場で活動している人が年に一度顔を合わせて情報交換する、ゆるやかなネットワークとしてすっかり定着しました。
実りある「海辺ラボ」の試み
今年の最大の特徴は、2泊3日の行程中、「海辺ラボ(特定のテーマで設置されるフォーラム内の研究室で、レクチャーやアクティビティ体験、ディスカッション等を行いながら、一つのテーマを深める場所の意味)」の活動に約一日半と、フォーラムの大半の時間が費やされたことです。
開催初日、相模湾でのシーカヤックや小網代の森自然観察会、和田長浜ビーチクリーンアップ等、施設周辺の自然の中でのアクティビティを通じて参加者同士が交流を深めた後は、「サンゴ礁保全のための環境教育(ラボA)」「子どもも大人も、もっと海へ(ラボB)」「海辺の教育活動の新しい可能性(ラボC)」という3つの分科会「海辺ラボ」に分かれてグループワークを行いました。
特に、来年2008年がICRI(国際サンゴ礁イニシアチブ)によって国際サンゴ礁年に制定されたことから、海辺ラボAにはとりわけ多くの参加者が集まりました。ダイバーをはじめとする観光客へのアプローチ、サンゴ礁地域での環境保全教育、都市部や遠隔地でのライフスタイル転換型の教育活動など幅広い議論から、最終日の全体報告会では数多くのユニークで具体的な提言が発表されました。
環境問題、珊瑚に注目集まる
その一部を紹介すると・・・。
- 電力会社に協力してもらい、先月や昨年に比べてどのくらい節電が出来たかを請求書に示してもらう。それに応じてポイントが貯まり、エコポイント制などを導入する。
- サンゴ礁の解説員「サンゴレンジャー」の立上げ。
- 一般を対象にした「サンゴ留学」、学生を対象にした「サンゴ交換留学」。たとえば昆布の海北海道と、サンゴの海沖縄の学生同士の交流やそれぞれの地域に滞在しあう。「サンゴ交換留学」。たとえば昆布の海北海道と、サンゴの海沖縄の学生同士の交流やそれぞれの地域に滞在しあう。
- インターネットからダウンロードできるような、オープンリソースの教材を揃え、提供する。特定地域の環境問題について、「遠隔地を巻き込んだ活動にするにはどうしたらいいのか?」、「環境教育の果たす役割は?」など、サンゴ礁をモデルケースに、今後干潟・藻場などへも発展できるであろう、興味深い考察など。
さらに今年初の試みとなったのは、各人が持ち寄った品々を参加者同士で競り落とすチャリティーオークション。
売上金は各団体や個人が展示発表するポスターセッション「海辺の掲示板」と同時に、35歳未満の若手が応募した企画書の中でもっとも投票数の多かった人に渡されます。これは若手の活動を応援する意味のコンペで、初年度でありながら200点の品が集まり、売上金は10万円超え。第一回はOWS(The Oceanic Wildlife Society)の浪崎直子さんが獲得しました。
その企画は歩くサンゴ、けんかするサンゴなど、動くサンゴの映像を撮影し、サンゴ教育プログラムに組み入れようというものです。地球温暖化や海洋汚染が叫ばれ、サンゴの危機が強調されるあまり、動物であるサンゴの魅力が十分に伝わっていないことから、この企画を思いついたそうです。
来年度は兵庫県の家島「母と子の島」でも開催が予定されており、底での上映会を目標に制作に取り組むそうです。県連盟のHPでも活用方法をアップしていきますのでお楽しみに。
ライフセーバーも意識向上を
環境教育は、学校教育だけでなく、地域や観光業、レジャーなど幅広い分野や団体が連携して展開しています。しかし、陸域に比べると、まだ海域の施設やプログラム資料などが不足しているのが現状です。
日本、そして世界に繋がっていることを教えてくれる「海」。このフォーラムのように、立場や地域を越えての情報交換や連携が、海辺の環境教育の新たな発展の礎になっていくことが期待されています。
以前に比べライフセーバーの参加も多くなってきましたが、まだまだ意識が低いようです。私たちがライフセービング活動が出来るのも、このかけがえのない「海」があるからに違いありません。この素晴らしい海洋環境を次世代の子どもたちに繋げるべく、地道な活動を各地域で共に展開して行きましょう。




















