学校教育に協力を
今年の夏は、海水浴場以外の水の事故が多く発生しました。とりわけ引地川やかなめ川河口の小中学生の事故は、カレントの危険性を知っていれば防げたはずの事故なのでとても残念であり、私のみならず数多くのライフセーバーが胸を痛めたはずです。
あるとき不安になって小学生の三女にスイムテストをしたら、なんと10mも泳げませんでした。
上の子どもたちが泳げたので少し安心しましたが、急遽近くのプールで特訓することになり、3回目でようやく人の身体は水に浮くことが感じられたようで、何とか20mは泳げるようになりました。
せめて100mは泳げるように、また3分間は立泳ぎができるようになって欲しいものです。
学校によって差があるとは思いますが、三女が通っている公立の小学校の水泳授業では、いつも水遊びをするだけで、泳力別で水泳を教わることなどはないそうです。これでは泳げないのも理解ができます。
事故を未然に防ぐ教育を
県連盟では、アメリカ大使館の職員住宅に付設されている温水プールのライフガード業務を受託することになりました。
ある夏の日に挨拶に行くと、ちょうどメインランドの大学生の女の子が、サマーキャンプのプログラムとして、4~6歳くらいのキッズに熱心に泳ぎを教えていました。アルバイトを兼ねつつ、日本に来て教えることで大学の単位が取得できるのだそうです。
小学校の先生に、1人で30人前後の子どもに水泳を教えるのは無理な注文です。安全性から言えば無茶です。
そこで文部科学省や大学には、教職課程や保育課程の大学生に多少の謝礼を払いつつも、単位を取得するために小中学校でぜひ水泳を教えられるように改善して欲しいと思います。また泳力に優れた生徒には、地元のライフセーバーが、セルフレスキュー、CPR、救急法などを教えられればとても有意義だと思います。
水の事故が多いのは、溺れた本人の泳力不足もありますが、事故防止を考えたり、危険な箇所を学ぶ教育が足りないことも要因のひとつです。オーストラリアの子どもは皆リップカレントの危険性を知っています。
私たちにに課せられる新たなミッションとは?
7月と9月に茅ケ崎市の公立中学校の依頼により、水の事故防止を含めたライフセービングに関する授業を行ってきました。また水の事故の多さから、10月には県の教育委員会保健体育課から「もしも県下の各小中学校において、水の事故防止を図るための授業時間を設けたら、協力してもらえるか?」の相談を受けました。
いままでライフセービングクラブの活動は、海水浴場やプール内での監視が主でしたが、今後は事故を未然に防ぐために、地域とりわけ学校教育に協力する必要があると思います。また先進国内で水の事故数がとても多い日本において、各ライフセーバーが培った知識や技術、そして「事故を未然に防ごうとする熱い気持ち」を子どもたちや地域に伝えていかなければ、悲しい水の事故は大きくは減らないと思います。
県下の各ライフセービングクラブはみな、事故防止のための知識・技術、海の知識、蘇生法、救急法の指導とともに、水泳指導についても協力ができるはずです。
ライフセービング発祥の地である神奈川県において、我々に新たなミッションが課せられようとしています。
しかし、その先には必ずやライフガードの誕生があるはずです。




















