22世紀型のスポーツ!The Lifesaving
先の『第31回全日本ライフセービング選手権大会』の開会式で、JLA小峯理事長の挨拶の中で『今世紀中に各スポーツの記録は限界に達して、そのスポーツの魅力を失いかねないが、勝ち負けよりも「命を救う、命の尊厳を守るスポーツ」であるライフセービングは、世の中からさらに注目を集めることになろう。』とのコメントはとても魅力的であった。
その小峯理事長と青春時代を片瀬西浜の海と監視所でともに過ごして、現在はオーストラリアのシドニー日本人学校に赴任中の山口毅氏からは、次のようなメッセージがその翌日に届いた。
『さて、全日本があったんですね!すっかり忘れていました(笑)。今、某LSCのページを見て確認しました。熱気が伝わってきましたが、逆に見ていて苦しくなる面もありました(その中には参加ライフセーバーのあまりにも勝ち負けにこだわるコメントが数多く見られたため)。
ライフセービングを志した者の中には他の競技からの転向組が大半占めていると思います(10年前は100%そうでした)。自分の経験したスポーツでいやな思い、つらい思いをしたものが結構多かった。ヒーローになれない者も・・・。
その者達が出会ったライフセービング。
それは「勝ち負けだけじゃない!」という今までない新たなエネルギーをそれぞれの心に与えてくれた。そのエネルギーは、気持ちよく自分たちの欲求を満たしてくれるものだった。
しかしながら、今では何でもライフセービングにつなげたがる。ライフセービングは自分のすべて・・・。
冠婚葬祭から、競技、教育まで・・・苦しいですね。他の競技を志して傷ついたものが、その歴史を繰り返し、きっと新しくライフセービングを志したものを傷つけていきそうな勢いです。
こうなるとライフセービングって、人の人生まで左右しかねないですね。本当にそう感じてしまいます。目的がないと海に行けなくなってしまいそう・・・。
我が家の3人の子供達は、モナベールSLSCのニッパーに入れ、先週から楽しくやっています(注・オーストラリアの子供達は、半年毎にスポーツを変える。ちなみに山口家の息子達は冬のサッカーと夏のLSの2シーズン制!)。
やはり、当たり前のように家族で子供を見ることが出来る活動がいいですね。でないと人生を左右してしまう活動になってしまいます。
まあ~山口はライフセービング辛口評論家として遠いモナベールから皆さんを応援しています』
(以上、山口氏からのメールより抜粋)。
PTSDを患う問題は解決できるか?
今年、某ジュニアライフセービングの講習会中に、隣りのビーチで重溺があり、駆けつけた指導員を含むライフセーバーらの必至のCPRにも関わらず、溺者の方はお亡くなりになった。
このような人命を助けられなかった経験を持つライフセーバーには、心に重いPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患うケースがあり、回復できないままLS(ライフセービング)界を去る者も少なくない。
私も過去3人の重溺者へのCPR経験があり、PTSDがまったくないとは言えない。今でも3件についてはっきりと覚えているし、亡くなった子供の名前は生涯忘れることが出来ないと言い切れる。
『命を救う、命の尊厳を守るスポーツ」は、裏を返せば「命を救えない、命の尊厳を守れないことも時にはある厳しいスポーツ」である。ようやく最近、JLA(日本ライフセービング協会)・ライフセーバー内でPTSDについて調査・研究をすべきとする意見を聞く。
21世紀を担うこれからのライフセーバーとライフセービングクラブのためにも、その成果が待たれる。
ライフセービング哲学日本的解釈が必要
ライフセービングのフィロソフィー(哲学)とは何でしょうか?まだJLAではきちんと明文化、テキスト化したものはありません。もしまとまれば、そのバイブルこそ、ライフセービングの心であり、宝でもありましょう。
ILS(国際ライフセービング連盟)、海外のライフセービングのフィロソフィーを含めて、武士道や儒教の教えも加えた日本ライフセービングのフィロソフィーがまとめられた時には、あらゆる日本のスポーツ団体(協会)やアスリーツからリスペクトされて、JLAの講習や指導をもっと受け入れられてくれることであろう。
私は、小峯理事長とライフセービング辛口評論家、優秀な理事、各委員会、事務局、そして21・22世紀を担う素敵なライフセーバーらとともに、ライフセービングライフを楽しみつつ、生涯を全うしたいと思ってます。
PS
なお新島で力強く心優しい数多くのライフセーバーを育てて、今年の夏にお亡くなりになった「前田のじっさぁん(ライフセービングを愛した新島における伝説の漁師=Water Manであられた)」のご冥福を、この場をお借りして心からお祈りしたいと思います。合掌。
前田のじっさぁんへ
天国でもJLAの赤い帽子をいつも誇らしげに被ってくださっているんでしょうね。ありがとうございます。いつまでもJLAを温かく見守っていてください。




















