潮の香り03

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ライフセービング発祥の地をサーフする。

4月上旬、オーストラリア・シドニー市のNorthem Beachesに住んでいるMr.Gucci(前 県連盟副理事長の山口毅氏)のご自宅にMr.トヨッチ(現県連盟理事)の豊田勝義氏とともにご厄介になりながら、地元Mona Valeなどのサーフポイントを思いきりサーフしてきました。

現地のサーファーが、一日にサーフしても大体1時間くらいなのに対して、我々は最低でも2時間以上、多い日は3ラウンド6時間以上もサーフしまくってきました(笑)。
そんなサーフジャンキーな我々3人ではありますが、その合間にシドニーのライフセービング(LS)事情を視察してきたので簡単にご紹介します。

日本と違う?ライフセービングの文化

どんな小さなビーチに行ってもLS活動をするための立派なクラブハウスがあり、すでに南半球のシドニーは秋になっていましたが、月~金曜日の平日はライフガードが、週末はライフセーバーが水辺の安全活動に従事していました。
しかし職業であるライフガードを除くと、LS活動中のモチベーションは決して高いとは言えず、海を見ないで友人と話しこんでいる者や、LSのテントの中に誰もいない?またテントの中で寝そべっている者さえいました。

良い意味でリラックスして、楽しいビーチカルチャーを阻害することなく、LS活動が肩肘張らずに、美しい景色と笑い声が絶えない明るいビーチ全体に自然と溶けこんでいるようでした。

ある時、Gucciが赤×黄色フラッグ間の遊泳区域内のアウトサイドで、良い波が割れるのでサーフしていたら、しばらくは注意されることはありませんでしたが遊泳客はゼロ、あまりにもエリア内でサーフしていたので、ライフガードはレスキューボードのインアウトのトレーニンングをするかのように、上手にGucciを遊泳エリア外に自然に押し出したそうです。

これにはGucciは偉く感心していました。
とても自然な注意であり、ホイッスルや警告の言葉を使わないスマートなLS活動ですね。でも遊泳客がいない時には、サーフィングはOKだと、Gucci、トヨッチ、Mick(自分です)は思っています。

モチベーションは「楽しい」こと

Gucciに言わせれば、シドニーにおいて、競技とレスキューの関係は、どのライフセーバーもほとんど考えていないそうです。
コンペティターはほとんど競技の事だけを中心に考えていて、もしもパトロールに出ても最低時間で、中には出ないものさえいると言います。また一年を通してLS活動は行われていず、ある程度寒い冬は、他のスポーツに興じる者が殆どだそうです。

因みにGucciの二人の息子は、半年間を地元のLSクラブでLSを、もう半年間を地元のサッカークラブに所属してサッカーを楽しんでいました。

私達が訪れた4月はサッカーのシーズンイン。週2回あるサッカーの練習または試合は、午後3~4時頃からわずか1時間で終了します。その1時間の間でも面白くなければ子供達は、『Balong!(つまんな~い!の意味)』と言って家に帰ってしまうそうです。

コーチはわずか1時間でも子供達が楽しめるように工夫をするし、何よりも子供達を褒めちぎるそうです。 極端な話、コーチや大人から幼い頃から大きくなるまでサッカーを褒めちぎられるので、『自分は将来プロのサッカー選手になっても十分に通用するんだ!』と思いこんでしまっている子供達が結構いるそうです。

日本の野球やサッカーそしてLSは、ダラダラと長時間の練習をさせて、子供達の集中力を途切れさせていないでしょうか?

大人にも言えます。また一番大切な"やる気と楽しい気持ち"を奪っていないでしょうか?

ガス・スタントン氏(前SLSA会長)が、Rescue92(日本初の静岡県下田市開催)の挨拶の中で『楽しくなければLSでない!』と述べていたのをよく覚えていますが、すべてにおいて "楽しさとルールを守ろう!(もと流刑者の国であったことへの反動かな)"とするオーストラリアの国民性を、今回の旅で強く感じました。

日本から豪州に教えることが来る

最後に、シドニーのクナラ、ワンダに行って日本に多大な貢献をされ、また現在もされ続けている、スチュアート・キャメロン氏とソーリーさんにお会いしてきました。

スチュアート氏は、80年代の新島や西浜を育てているし、ソーリーさんは言わずと知れた湯河原ライフセービングクラブを日本一のクラブに育てた功労者です。
現在スチュアート氏が、ソーリーさんの家の離れに住んでいるのは何と言う偶然でしょうか。時差がほとんどなく、小峯理事長を筆頭に、豪SLSAとは古くから交流が続くJLA。まだ教わることは一杯にありますが、逆に教える日はいつ来るのでしょうか? まずは、海水浴以外のシーズンに、ホイッスルを使わずにリラックスしてサーファー、ウィンドサーファーら海浜利用者をガードするために、赤×黄色のテントを全国の数多くのビーチに設置するところからでしょうね...。

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